内装リフォームは減価償却できる? 耐用年数とその仕組み

2022.07.04

マンションなどの集合住宅、もしくは店舗や施設のオーナーでしたら、一度は内装リフォームやリノベーションを考えることがあるかと思います。
マンションでしたら内装リフォーム・リノベーションを行うことで資産的価値が高まり、入居者の獲得や早期売却にもつながります。店舗でしたら、店内の印象が真新しく清潔になることから、新規顧客の獲得にもつながることでしょう。

しかし、固定資産税の関係から会計上の処理で減価償却ができるかどうか、不明な部分が多いのではないでしょうか。
この記事では建物の耐用年数と減価償却、会計上の処理についてご紹介したいと思います。
ぜひ参考にしてみてください。

■減価償却とは

減価償却というのはいったい何なのかというと、会計上の処理方法の一つです。
固定資産(減価償却資産)を取得するのにかかった費用を一度に計上するのではなく、取得費をその固定資産の耐用年数分で割り、年ごとの費用を計上します。つまり、会計の記録上は分割払いということになっている、ということです。
これは会計上のものなので、実際に行われる支払いは関係ありません。
大まかな数字になりますが、耐用年数10年の100万円の固定資産を取得した場合、初年度に100万円すべて払ったとしても会計上は100(万円)÷10(年)となって、10年間毎年支払う金額は10万円ですよという記載になります(定額法)。

なぜこのような処理があるのかというと、時間の経過とともに価値が減少する固定資産のためです。
これを減価償却資産といいます。
建物は基本的に、築年数が経つにつれて資産価値が下がりますので減価償却資産です。

■耐用年数とは

先の項目でも何度か登場した耐用年数ですが、これはメーカーが発表する「この商品はこの年数使えますよ」という物理的な限度ではなく、国が定めた「資産を使用できる」期間のことです。期間の範囲は使用開始日からその年数が終了するまでで、減価償却を行う際に必要な数字です。

一例となりますが、建物の場合だと耐用年数は以下のようになっています。

建 物 RC造・SRC造 木造・合成樹脂造
住宅用 47年 22年
店舗用 39年 22年
飲食店用 34年・41年 20年

※延べ面積のうちに占める木造内装部分の面積が30%を超えるもの

東京都 減価償却資産の耐用年数表>>

■定額法と定率法

減価償却の計算には二つの方法があります。
それが定額法と定率法です。
定額法は「減価償却」の項目で例に出した通り、一年ごとの金額が均等になる計算方法。
定率法は年数がたつにつれて、一年ごとにかかる金額が減少していくようにする計算方法です。初年度が一番高く、そこから年ごとに金額が少なくなっていきます。
国税庁の発表している計算式は以下のとおりです。

・定額法
取得価額×定額法の償却率

・定率法
未償却残高×定率法の償却率
※上記の金額が償却保証額に満たなくなった年分以後は次の算式による。改定取得価額×改定償却率

それぞれの償却率は国税庁が発表している表から探す必要があります。
定額法に関しては、取得価額に耐用年数を割った数が減価償却費に近い数字になりますが、固定資産を取得した年が平成19年以前・以後かで償却率が変わるため、計算する際は表を確認してください。

国税庁 減価償却資産の償却率等表>>

この2つはどれでも選択できるわけではなく、建物自体をリフォームするなら定額法となり、付属設備は定率法と計算方法が決まっています。
2部屋の間にある壁をなくしたり、断熱工事をしたりするなら定額法となり、トイレ・キッチン・照明などの付属設備は定率法となります。前者は建物の耐用年数を使いますが、後者は設備の耐用年数を使うので注意しましょう。

■内装リフォームは適用できる?

さて、内装リフォームはどこから減価償却できるのかというと、これは資産的価値を高めるかどうかが一つの目安となります。
一般的にリフォームというものは、新築時のような元の状態に戻す、という認識があります。もし、壁に汚れや傷があれば、クロスを張替えるなどのリフォームが考えられますが、これはたいてい「修繕」にあたりますので、減価償却は必要ありません。
ただし、リノベーションのような資産的な価値を大きく上げる、もしくは「リフォーム費用が20万円以上」の場合は減価償却の必要があります。たとえば増改築や、スケルトンリフォームはこれにあたるでしょう。

なお、費用が20万円以上であっても、価値がマイナスとなったものをゼロに戻す原状回復のリフォームなら、修繕費として計上するケースがあります。

では、耐用年数はどうなるのかというと、築20年のRC造建物に資産価値の上がるリノベーションを行った場合、耐用年数は47年となります。耐用年数から築年数を引くことはありません。かかった費用を27ではなく、47で割ることができます。
先に述べたように耐用年数は使用開始日からその年数が終了するまでなので、資産的価値の上がることからこの耐用年数となります。

ただしリノベーションにかかった費用が、同じ物件を新しく建てるとしてかかる費用(再取得額)の50%以下なら、耐用年数を短縮することが可能です。こちらは簡便法とも呼ばれています。

(耐用年数-築年数)+築年数×0.2

木造10年の建物ならこうなります。

(22-10)+10×0.2=14年

■まとめ

内装リフォームを行う際は、どの部分をリフォームするかによって耐用年数・計算方法が変わるので、注意しましょう。
また、費用が低い場合などは修繕費として計上できるので、減価償却を行う必要はありません。

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